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コベナンツとは?わかりやすく解説

 2018/12/17 金融用語集   961 Views

近年、金融自由化に伴い金融機関の融資サービスも多様化しています。特に活用されているのが「コベナンツ融資」と呼ばれるサービスです。

大手銀行だけでなく地方銀行の間でも積極的に活用されています。

コベナンツ融資とは?

そもそも「コベナンツ」とは「約束・誓約」という意味です。「コベナンツ融資」とは、「財務制限条項付き融資」とも呼ばれ、借入契約内容に一定の特約条項(義務や制限など)を記載する融資制度を指します。

例えば銀行と企業間の融資では「銀行取引約定書」により取引ルールを契約します。これ以外に様々な取り決めルールを交わして融資を行うシステムが「コベナンツ融資」です。

一般的には「シンジケートローン」「ノンリコースローン」「LBOローン」などの組成融資(複数の金融機関が参加する融資)に活用されています。

銀行のシンジケートローンでは、原則、銀行取引約定書の適用対象外であり、また無担保・無保証の契約もあることから、参加金融機関として融資先(資金調達先)の業況や財務内容を確認(モニタリング)することが必要になることから、本条項が契約書内に記載されるのです。

コベナンツの内容とは?

コベナンツ融資における「コベナンツ=特約条項」には様々なものがあります。一般的には次のような条項です。

報告・情報提供義務状況

毎月の試算表の提示や資金繰り表などの財務資料を提出し、報告してもらうこと

担保制限条項

会社の資産を勝手に債権者に担保に出してはいけない。担保提供する場合には事前に相談し了承を得ること

資産譲渡制限条項

会社の資産を勝手に売却してはいけない。売却や処分をする場合には事前に相談し了承を得ること

格付維条項

銀行の信用格付けが今よりも下がらないようにすること

財務制限条項

次のような財務指標のノルマを定めること

  • 純資産の維持や○年以内に営業利益をいくらにする
  • 流動比率を○%維持する
  • インタレスト・カバレッジ・レシオ(利益保償比率)を○○%以上に維持する
  • 売上高に対する総借入残高の割合を○○%以下に維持する
  • 売上高に対する手元流動性資金の割合を○○%以上に維持する
  • 含み損益を考慮した実態バランスで自己資本を○○%以上に維持する

コベナンツに違反すると

このような「コベナンツ融資」は金利負担が少なく、高額資金を調達可能な手段として、近年注目されています。一方、「コベナンツ=特約条項」に違反すると様々なペナルティが課せられることになります。

コベナンツ違反は「期限の利益喪失事由」に該当します。そのため金融機関側から「一括返済」を要求することも可能になります。

ただし実際の現場ではコベナンツ違反に該当したからといって、直ちに一括返済を要求されることはあまりありません。悪質なケースを除いて、まずは企業に改善を求めるケースがほとんどです。

例えば「3年以内に営業利益を黒字化させてください」「純資産を維持してください」といった経営が苦しい企業に対して支援を行う意味合いの要求が出されることになるでしょう。また「金利の引き上げ」といった条件があらかじめ盛り込まれている借入契約もあります。

いずれにしても違反時のペナルティは当初の契約時に決定されますので、必ず確認するようにしましょう。また万が一企業収益の悪化などで条件を守れなくなる場合には、できるだけ金融機関側に早期に相談し対応を検討することが大切です。

コベナンツ融資のメリットとデメリット

金融機関側のメリット

  • 信用リスクの予防と回避(取引先の危険状況を早期に察知することができ、顧客企業の事業リスクの銀行負担が回避され、債権保全・回収上も有利になります。)
  • 顧客との関係が一層親密化することで、積極的な地域産業と中小企業の育成支援という経営理念の実現を図ることができます。

金融機関側のデメリット

  • 当初の新制度整備の若干の費用と事後信用管理の負担が生じる

利用者側のメリット

  • 担保・保証が無くても高額の資金調達が可能
  • 金利などの条件が良い
  • 金融機関と親密感が強まる

利用者のデメリット

  • 審査条件が厳しく、手間もかかる
  • 各種の制限条項に縛られると、企業の変化への大胆な挑戦にブレーキがかけられることもある
  • 銀行の監視や口出しが多くなることで支配下に置かれ、企業の自主性が阻害されてしまう
  • 条項違反時のペナルティ

金融サービスも多様化している!!

「コベナンツ融資」はバブル経済崩壊以後、新たに登場した金融サービスです。金融業界の再編に伴いサービスも多様化しています。

コベナンツ融資は、大企業だけでなく中小企業でも活用の場が広がっています。金融サービスの情報に対して常にアンテナを張り、いつでも活用できるようにしておきましょう。

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