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住宅ローン控除とは?住宅ローン控除の条件や計算方法をわかりやすく解説

住宅ローン   188 Views

「住宅ローン控除」という言葉をご存じでしょうか?

住宅ローンを利用している方、もしくはこれから住宅ローンの利用を検討される方にとっては、非常に重要となる言葉です。

一方、言葉自体は知っているが中身はあまり理解していないという方も多いのではないでしょうか。税金が優遇されるというせっかくの制度も、その中身を知らずに思いもかけない失敗を招くかもしれません。

「住宅ローン控除」についてしっかりと勉強しておきましょう。

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは「住宅借入金等特別控除」と呼ばれる税制の制度の通称です。ローンを利用してマイホームを購入した方は社会経済に貢献している、一方、ローンの返済も生活に影響してくる、そこで税金を優遇してあげましょう、という制度です。

「控除」とは住宅購入時に本来納めるべき税金から差し引かれることを意味します。このことから「減税」と同じ意味合いとなります。その内容は「最大10年間、住宅ローンの年末残高もしくは住宅の取得対価のうちいずれか少ない方(※)の金額の1%が所得税から控除される」というものです。

(※)通常は住宅ローンの残高が住宅の取得対価を上回ることはまずありませんので、基本的に住宅ローン控除の対象は「住宅ローンの年末残高」となります。(以後の説明も基本的に「住宅ローンの年末残高)として行います)

「住宅ローン控除」は新築購入だけでなく、中古マイホーム購入、住居の改築などでも適用されます。一定の条件を満たした場合、一定期間の間、ローン残高に応じた金額が所得税から差し引かれ、還付されます。ただし、控除を受けるためには確定申告を行う必要があります。

社会保険料控除や生命保険控除のような所得控除とは異なり、住宅ローン控除では、あらかじめ計算された所得税から税金が差し引かれ、納めた分の税金が戻ってきます。また所得税で控除しきれなかった分に関しては住民税から控除されます。

住宅ローン控除の歴史は比較的長いものです。当初は住宅購入金額の一部を減税するというものでした。しかし、1978年に住宅ローン控除の制度化に伴い、基本的に住宅ローンの金額が減税の算出基準となりました。近年は住宅税制の制度変更などにより、制度の内容も都度変わっていくため、最新の制度をしっかりと理解しておくようにしましょう。

住宅ローン控除の概要(2019年4月時点)

①一般住宅(新築・中古住宅購入・住宅購入に伴う土地購入)

控除対象の借入金額 次の条件を満たす10年以上の住宅ローンの年末残高

  1. 住宅の新築、取得(中古住宅も含む)
  2. 住宅の取得とともにする敷地の取得
  3. 一定の増改築(リフォーム)
適用条件
  1. 居住用の住宅であること
  2. 10年以上の住宅ローンを組むこと
  3. 床面積50㎡以上
  4. 中古住宅の取得の場合 築年数20年以内又は耐震基準に適合すること
控除額(減税額) 住宅ローンの年末残高×控除率=毎年の控除額(減税額)

<平成26年4月~平成31年(令和元年)6月>

控除率:1.0%
控除対象ローン年末残高:最大4000万円
各年の控除限度額:40万円

<消費税の税率が8%、10%以外の場合>

控除対象ローン年末残高:最大2000万円
各年の控除限度額:20万円

控除期間 10年間
所得要件 年収3,000万円以下

②認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の新築または建築後使用されたことのない住宅の取得)

控除対象の借入金額 1.住宅(認定住宅)の新築、取得
2.住宅(認定住宅)の取得とともにする敷地の取得
適用条件 1.認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)であること
2.居住用の住宅であること
3.10年以上の住宅ローンを組むこと
4.床面積50㎡以上
控除額(減税額) 住宅ローンの年末残高×控除率=毎年の控除額(減税額)

<平成26年4月~平成31年(令和元年)6月>

控除率:1.0%
控除対象ローン年末残高:最大5000万円
各年の控除限度額:50万円

<消費税の税率が8%、10%以外の場合>

控除対象ローン年末残高:最大3000万円
各年の控除限度額:30万円

控除期間 10年間
所得要件 年収3,000万円以下

③バリアフリー改修リフォーム

控除対象の借入金額 バリアフリー改修工事を含む5年以上のリフォームローン
適用条件 1.居住用の住宅であること
2.バリアフリー改修工事を含むリフォームであること
3.床面積50㎡以上の住宅のリフォームであること
控除額(減税額) リフォームローンの年末残高×控除率=毎年の控除額(減税額)

<平成26年4月~平成31年(令和元年)6月>

控除率:1.0%
控除対象ローン年末残高:最大1000万円
各年の控除限度額:12.5万円

<消費税の税率が8%、10%以外の場合>

控除対象ローン年末残高:最大1000万円
各年の控除限度額:12万円

控除期間 5年間
所得要件 年収3,000万円以下

④省エネ改修リフォーム

控除対象の借入金額 省エネ改修工事を含む5年以上のリフォームローン
適用条件 1.居住用の住宅であること
2.省エネ工事を含むリフォームであること
3.床面積50㎡以上の住宅のリフォームであること
控除額(減税額) リフォームローンの年末残高×控除率=毎年の控除額(減税額)

<平成26年4月~平成31年(令和元年)6月

控除率:1.0%
控除対象ローン年末残高:最大1000万円
各年の控除限度額:12.5万円

<消費税の税率が8%、10%以外の場合>

控除対象ローン年末残高:最大1000万円
各年の控除限度額:12万円

控除期間 5年間
所得要件 年収3,000万円以下

住宅ローン控除金額の計算方法

住宅ローン控除では各年最大で40万円(認定住宅の場合は最大50万円)の金額が戻ってきます。これは年末時の住宅ローン残高の1%が所得税から控除されることによります。しかし自分の場合はどれだけの金額が戻ってくるか、その計算方法がよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

実は控除額の計算は意外と簡単です。金融に精通していない方でも計算することができます。正確な数字はやはり税務署などで確認する必要はありますが、まずは自分で計算して概算を知っておくこともいいのではないでしょうか。

住宅ローン控除額の計算

控除可能額は、住宅ローンの年末時の残高に控除率=1%を乗じる、もしくは40万円のうちいずれかすくないほうの額となります。(平成26年4月1日~平成31年(令和元年)6月30日までの居住、消費税8%または10%適用の場合)。

例えば、住宅ローン年末時の残高が3,000万円の場合は

3,000万円×1%=30万円=控除可能額となります。ただしこの「30万円」全額が戻ってくるわけではありません。所得税及び住民税の納付金額より多くは戻ってきません。

例えば本来納めるべき所得税が8万円、住民税が18万円だった場合は、8万円+18万円の計26万円が、実際に収めた納税額になります。控除金額としては、所得税の上限額はありませんが、住民税では13万5千円が上限額として定められているため(※)実際に戻ってくる控除額は以下のようになります。

・所得税で納めた額(8万円)+住民税(13万5千円)=21万5千円

このように、住宅ローン控除では納めた税金以上に戻ってくることはなく、控除可能額が大きくても、その金額がすべて戻ってくる訳ではないことに注意です。

※住民税の控除限度額
消費税率
控除限度額
・消費税8%または10%が適用の場合→所得税の課税総所得金額等×7%(最高13.65万円)

・上記以外の場合→所得税の課税総所得金額等×5%(最高9.75万円)

適用期間 居住開始日:平成26年4月1日~平成31年6月30日

住宅ローン控除受けるための手続きとは?

住宅ローン控除は確定申告の「還付申告」に該当します。そのため入居した年の翌年1月1日から申告をすることが必要です。

確定申告期間中(通常は毎年2月16日~3月15日)は税務署が混みあうため、できるだけ早めに準備をして申告をすることをおすすめします。手続きが早ければ、還付金を受けとる時期も早くなる可能性があります。

確定申告では、必要事項を準備・記載したう上で税務署に提出する必要があります。不明な点は最寄の税務署で確認するようにしましょう。

特に確定申告が初めてという場合は、書類の書き方が分からなかったり、ほかの控除も重なって混乱してしまうかもしれません。

提出する税務署は、基本的に居住地を管轄している税務署ですが、一部の地域では確定申告の会場が税務署以外の場所であることもあるため、事前に確認しておくようにしましょう。

また、郵送での提出や、国税庁のサイト上で申告書を作成して送信する方法で手続きを行うことも可能です。

2年目以降は会社員の場合は年末調整で手続きができますが、自営業の場合は初年度と同様に、書類を作成し税務署に提出する必要があります。

年末調整の場合は、給与所得者の「住宅借入金等特別控除申告書」や、住宅ローンの「年末残高証明書」を添付する必要があります。不明な点は勤務先の担当者に問い合わせておくようにしましょう。

住宅ローン控除手続きの必要書類

住宅ローン控除手続きの必要書類は、主に次の7点です。書類の不備などがあると、再提出など時間も手間も余計にかかってしまいます。不明な点は税務署に確認するなどして確実に準備するようにしましょう。

  1. 確定申告書
  2. 確定申告をする年度の源泉徴収票
  3. (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  4. 住宅ローンの年末残高等証明書
  5. 土地・建物の登記事項証明書
  6. 売買契約書または建築請負契約書の写し
  7. マイナンバーの本人確認書類

新築・中古住宅の住宅ローン控除の9つの条件

住宅ローン控除の一番のポイントが「条件」です。控除を受けるための条件を一つでも満たしていないと控除を受けることができません。条件面は住宅購入前、または住宅ローン契約前に必ず確認しておく必要があります。

①住宅ローン控除を受ける人が居住する

住宅ローン控除は、控除を受ける人本人が居住することが大前提で、その人が支払う税金の減額を目的とする制度です。当然「賃貸用住宅」や「別荘」などは対象にはなりません。例えば転勤で家族そろって引っ越しをしまい、誰かに賃貸用として貸し出すといったケースでも住宅ローン控除の対象外となります。

②12月31日までに居住する

「いつ住むか」「いつまで住んでいるのか」が住宅ローン控除の確認事項です。

  1. 新築した日または購入した日から「6ヶ月以内」に居住すること
  2. 住宅ローン控除を受けようとする年の「12月31日まで」引き続き居住していること

この2点を満たす必要があります。居住の確認は「住民票」で判断されます。ただし、年末に引っ越しするなどして住民票の移転が間に合わない場合は、住民票の代わりとして公共料金の請求書などで確認することもあります。

一方、例えば家の引き渡しは平成30年12月に受けたものの、「実際に住む」のが翌年の平成31年1月になる場合は、平成30年分ではなく「平成31年分の確定申告」で住宅ローン控除を受けることになります。

③住宅ローンの借入期間が10年間以上

・10年間以上→対象
・10年間未満→対象外 となります。

住宅ローンの繰り上げ返済(期間短縮)で「トータルの借入期間が10年未満」になってしまうと控除対象外となってしまいますので注意が必要です。

例えば当初の借入期間が15年だったとします。

・3年後に繰上返済を行い、借入期間が「3年」短縮されるケース

15年から3年間期間が短縮されたので、「トータルの借入期間は12年」です。借入期間が10年以上ですので、引き続き住宅ローン控除を受けることができます。

・3年後に繰上返済を行い、借入期間が「6年」短縮されるケース

15年から6年間期間が短縮されたので、「トータルの借入期間は9年」です。借入期間が10年未満となりますので、住宅ローン控除が受けられなくなってしまいます。

④勤務先からの借入の場合は0.2%以上

勤務先の借入制度を利用する場合は

  • 無金利(0%)
  • 超低金利(0.2%未満)

の場合は住宅ローン控除の対象外となります。銀行などの金融機関からの借入では0.2%未満でも特に問題ありません。

⑤親族などからの借入ではない

住宅ローン控除の目的は「住宅購入などで、金融機関から長期(10年間以上)の借入を利用すると利息の負担が大きくなるので、その負担の一部を国が補う」というものです。そのため両親や祖父母といった親族からの個人的な借入は、住宅ローン控除の対象外となります。

⑥床面積の合計が50㎡以上

不動産登記簿上の床延面積が50㎡以上(約15坪以上)であることが条件です。マンションでは階段や通路などの「共有部分」は床面積に含まれませんので注意が必要です。

⑦床面積の2分の1以上が居住用

自営業の方のように店舗や事務所と一体となった住宅の場合は、2分の1以上を「居住用」としている物件のみが対象となります。

⑧その年の所得金額が3,000万円以上

年収が多い方は住宅ローン控除を受けれません。もっとも実際にはこの金額を超える年収を確保できる方はまずおられないでしょう。

⑨居住した年の前後に他の税金の優遇措置を受けていないこと

居住した年の前後各2年間=合計5年間に、住宅の売買などを行った型は注意しなければいけません。「3,000万円の特別控除」や「10年超保有の税率の軽減」などの他の税制優遇を受けた場合、住宅ローン控除を受けることができません。

金額的にかなりの差が生じますので、その優遇制度を利用するかは税理士などに相談するようにしましょう。

中古住宅の住宅ローン控除の3つの追加条件

中古住宅の場合は、住宅ローン控除を受けるために、新築の9つの条件に合わせて、次の3つの条件も満たす必要があります。

①年数条件、耐震基準を満たしているか

1.マンションなどの耐火建築物→25年以内に建築されたもの

2.耐火建築物以外→20年以内に建築されたもの

「耐火建築物」とは、石造・れんが造・コンクリートブロック造・鉄骨造(軽量鉄骨造を除く)・鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造の建物で、建物の不動産登記簿(登記事項証明書)に記載された建物の構造で判定されます。

3.上記の建築年数に該当しない場合→平成17年4月1日以降に取得し、一定の耐震基準に適合するもの

中古住宅を購入する場合は、これらの条件を満たしている物件か不動産業者に確認するようにしましょう。

②親族などからの購入ではないか

身内などからの購入物件の場合、住宅ローン控除を受けることはできません。

③贈与による取得ではないか

贈与による中古住宅の取得も住宅ローン控除の対象外です。

住宅ローン控除の期間延長

平成31年(令和元年)10月、消費税が10%に引き上げ予定です。これに伴い住宅ローン控除期間の延長が制度化されることになりました。増税前の駆け込み需要とその反動減を防ごうことが目的で「マイホーム検討者の購入意欲を損ねないため」の対策です。改正点は大きく次の2点です。

①控除期間が現行の10年から13年に3年間延長される

②延長される期間3年間の控除額の計算方法が改められる

〇延長される3年間の控除額の計算方法

これまでの制度では、住宅ローン減税は控除額の金額を「各年の住宅ローンの年末残高×1%」という算式によって計算していました。一方改正後は次のように改められます。

・控除期間1年~10年は現行制度通り

・延長される11年~13年の各年は以下の(イ)(ロ)どちらか少ない金額。その際、所得税から控除しきれない場合は個人住民税(最高13万6500円)から控除される

(イ)住宅ローンの年末残高(4000万円を上限)×1%
(ロ)建物取得価格(4000万円を上限)×2%÷3

控除期間が3年間延長される分、控除額は増えるのですが、計算対象を「建物取得価格」とした算式(ロ)が新たに加わり、(イ)(ロ)いずれか少ないほうの金額が還付されます。

建物取得価格については契約書などで確認することになります。ただし 住宅価格は内税表記が一般的であり、分譲マンションでは土地・建物それぞれの価格(内訳)を開示していません。この場合「消費税額」と「消費税率」の仕組みを理解する必要があります。消費税は建物のみに課税され、土地は非課税という仕組みを利用して計算します。「消費税額」÷「消費税率」=「建物価格」となります。

たとえば、マンションの1室が4000万円で分譲されているとします。この4000万円には消費税10%分の250万円が含まれ、内税表記で4000万円(税込み)だったとします。すると、消費税額250万円を消費税率10%で割った2500万円(250万円÷10%)が建物価格になります。そして差し引き、販売価格4000万円-建物価格2500万円-消費税額250万円=1250万円が土地価格となります。

<販売価格4000万円(税込み)の内訳>

  • 建物価格:2500万円
  • 土地価格:1250万円
  • 消費税額:250万円

よって、延長される控除期間11年~13年の各年の控除額は、算式(ロ)から建物価格2500万円×2%÷3=約16万6600円となります。(イ)「住宅ローンの年末残高×1%」と比較し、どちらか少ない金額が還付されることになります。

増税予定まで間もなくです。増税前に駆け込みで購入するか、もしくは新制度を利用するのか、個々のの判断は難しいところではないでしょうか。

まとめ:制度の趣旨をよく理解しておこう

住宅ローン控除は、計算方法などが複雑に感じますが、住宅ローンを利用する方にとっては大きなポイントとなる制度です。今後の長期に渡る返済負担を少しでも軽減するために、十分その趣旨を理解しておく必要があります。

しかもいったん住宅を購入し、住宅ローンを契約してしまうと、後には戻れません。後から後悔しないように、不明な点は金融機関担当者や税務署、税理士などに確認するようにしましょう。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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