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銀行の貸し剥がし・貸し渋りとは?対処方法は?

銀行融資   28 Views

皆さんは「貸し剥がし」「貸し渋り」といった言葉を聞いたことがありますか?リーマンショック以後の景気低迷期では、社会問題ともなった言葉です。

銀行の「貸し剥がし」「貸し渋り」は、何か絶対悪のようなイメージがありますが、実際はどのようなことを指すのでしょう。対処法はあるのでしょうか?

貸し剥がしとは?

銀行が行う「貸し剥がし」とは、融資残高について「一括での返済」を迫ることです。期日通りに返済を続けてる場合でも、要求してくるのですから驚きです。

本来銀行融資の債務者には「期限の利益」が認められています。「期限の利益」とは、期限が来るまでは債務の履行を行わなくても良いという権利です。

ただし、融資契約の際に締結する契約書では、債務者が契約書の記載内容に反した場合は金融機関は強制的に一括返済を求められる項目が設けられています。これを「期限の利益の喪失」といいます。一般的に期限の利益が喪失するのは次に挙げる契約違反が債務者にあった場合です。

  • 返済の滞納が発生した場合
  • 契約書の記載内容に違反や虚偽があった場合
  • 債務者が破産手続や民事再生手続などを開始した場合
  • 債務者に対して保全処分や強制執行などが行われた場合

このような契約違反があった場合には、融資金の一括返済を銀行は求めることができます。

一方、このような契約違反の事実がないにも関わらず返済期限前の一括返済を要求されるのが「貸し剥がし」なのです。

なぜ貸し剥がしが行われるのか?

銀行は常に債務者やその関連会社に対して目を光らせています。融資先の関連会社や親会社、大口取引先の経営が悪化すると、融資先の経営も大きく影響を受けます。最悪の場合「連鎖倒産」という事態にもなりかねません。

そのためこのような情報を入手した銀行は、事前に手を打って「融資金の回収」に走るのです。回収不能になってしまう前に回収してしまおう、というわけです。

関連会社などの経営悪化の段階では、直接融資先の資金はまだ枯渇する前である可能性が高い段階です。この段階で、とにかく回収ができるうちに回収しておきたいと考えるのです。

貸し剥がしに答える義務はない!!

ここで知っておきたいことは「銀行から一括返済をせまられても応じる義務はない」ということです。

契約通りに返済している場合は「期限の利益」という権利があります。仮に一括返済を求められても、手元に資金があったとしても情に流されることなく応じることが重要です。

銀行には金融庁が定めた「金融円滑化」と呼ばれる、行った融資に対する返済支援に努める義務があります。「金融円滑化」では「円滑な資金供給や貸付条件の変更等に努めるべき」という要請が金融庁から出されています。

そのため銀行側は「返済してもらえないでしょうか」といった低姿勢で交渉を行ってきます。状況次第では、金融庁への相談などを行うのも良いでしょう。

貸し渋りとは?

銀行が行う「貸し渋り」とは、その名の通り「貸し出しを渋る」ことです。融資の申込を行っても、何等かの理由をつけて融資してくれない状況です。業績が順調な企業、現在受けている融資の返済を滞ることなく行う会社などでも貸し渋りを受けることもあるので驚きです。

世界的、社会全体の不景気時、例えば日本での「バブル経済崩壊」やアメリカに端を発した「リーマンショック」といった状況では、たとえ大企業であっても企業経営は一気に悪化する危険もあります。

このような状況では事業運営に全く問題がなく銀行との関係も良好であったとしても、融資の未回収リスクが上がるため銀行は融資を控えます。 これが「貸し渋り」です。

貸し渋りを行う裏事情

銀行は融資を行った会社を信用格付による債務者区分で分類しています。そして決定された債務者区分に応じて貸倒引当金を積み立てます。

貸倒引当金とは返済不能になるリスクをカバーするものです。債務者区分で問題ない先=正常先の貸倒引当率は融資金額の数%ですが、債務者区分が悪化すると、貸倒引当率も、当然高くなっていきます。「正常先」から「要注意先」に悪化するだけで数10%以上の上乗せが必要になってきます。

貸倒引当金は銀行にとって負債となり銀行の収益を圧迫することになります。このような裏事情から貸倒引当金を抑えるために貸し渋りが行われるとも考えることができます。

貸し渋りに対する対抗策は?

資金繰りが悪化して融資を銀行に申し込んでも応じてくれなければ、事業運営にも大きく悪影響を及ぼします。応じてくれなければ融資を受けることもできません。

あからさまに「貸し渋り」を示すことはないでしょうが、のらりくらりと融資を断り続けるケースもあります。

このような場合には「信用保証協会保証付き」の融資を活用するべきでしょう。公的機関である信用保証協会の保証が付く制度融資であれば万が一融資の回収が不能となった場合でも未回収分の融資を信用保証協会が代位弁済(返済)してくれます。

信用保証協会の保証さえ取り付ければ、銀行もその融資を断ることはまずありません。

まとめ

銀行は社会性や公益性が高いことから公的機関のような印象を受けがちです。しかしメガバンク・都市銀行・地方銀行など事業規模の大小に関わらず全ての民間銀行は利益を追求する私企業であり、一般企業と何ら変わることなく営利目的で運用されています。利益追求の目的では「貸し剥がし」や「貸し渋り」を行うのも仕方のない側面もあります。

とはいっても、何の理由もなくこのような行為に及ぶことはありません。銀行の利益の中枢は「貸出先からの利息収入」です。銀行としても「貸せるのであれば貸したい」というのが本音です。

「貸し剥がし」や「貸し渋り」を受ける企業には何らかの問題点があるはずです。その問題点を正確に改善していけば、銀行との良好な関係を継続することができるでしょう。

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ライター紹介 ライター一覧

若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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