年金を担保にしてお金を借りたい!

年金を担保にしてお金を借りたい!

高齢者は金融業者からお金を借りるのが難しいとされています。

 

カードローンなどの商品には年齢制限が設けられており、一般的には65歳以上、甘い先でも70歳を超えると借入できないとしている金融機関がほとんどです。

 

しかし高齢者の方でも、まとまったお金が必要になることもあるでしょう。

 

老後にお金が必要になった場合はどうすればいいのでしょう。

そのひとつの方法が支払いを受けている年金を担保にして借り入れする方法です。

 

年金担保貸付とは?

国民年金法第24条には、次のような表記がされています。

「(年金の)給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
ただし、年金給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合は、この限りでない。(厚生年金についても、同様の規定があります)」

 

つまり基本的に年金を受け取る権利を担保として借入を利用することはできないのです。

ただしここで記載されている通り「別に法律で定めるところ」であれば、年金を担保とした融資を行うことも可能になっています。

 

現在、法的に公的年金などを担保とする融資が認められている先は、次の2つだけです。

 

  1. 独立行政法人福祉医療機構
  2. 株式会社日本政策金融公庫

 

このうち一般的に利用されているのが「独立行政法人福祉医療機構」の年金担保貸付制度です。

 

年金担保貸付制度の概要

 

利用できる方

以下の証書を保有しており、その年金の支払を受けている方

 

  • 厚生年金保険年金証書(厚生年金基金および企業年金連合会から支払われるものは対象となりません。)
  • 国民年金・厚生年金保険年金証書
  • 船員保険年金証書(厚生年金保険とみなされ融資の対象となりますが、平成22年1月1日以降の事故による船員保険の障害・遺族年金は対象になりません。)
  • 国民年金証書(無拠出制の老齢福祉年金、特別障害給付金および国民年金基金は対象となりません。)
  • 労働者災害補償保険年金証書(石綿健康被害救済法に基づく特別遺族年金は対象となりません。)

 

ただし以下の場合は利用できません。

 

  • 平成26年12月1日以降に借入申込をされた方で、任意繰上返済され、融資決定時の完済予定日に到達していない場合
  • 生活保護受給中である場合
  • 年金担保融資(労災年金担保融資を含む)を利用中に生活保護を受給し、生活保護廃止後5年間を経過していない場合
  • 融資金の使途が投機性の高い場合(ギャンブル等)もしくは公序良俗に反する場合、または借入申込者ご本人の利益に明らかに反する場合
  • 年金の支給が全額停止されている場合
  • 同一の年金で借入金残高がある場合
  • 現況届または定期報告書が、未提出または提出遅延の場合
  • 特別支給の老齢厚生年金を受給していた方で65歳時の年金決定手続き期間中の場合
  • 反社会的勢力に該当する方、反社会的勢力と関係を有する方または反社会的勢力に類する行為を行う方
  • その他、独立行政法人福祉医療機構の定めによる場合

 

融資金額

借入者本人が必要とする額を限度とし、以下の3つの要件を満たす額の範囲内

 

  1. 10万円〜200万円の範囲内(1万円単位、ただし、資金使途が「生活必需物品の購入」の場合は、10万円〜80万円の範囲内となります。)
  2. 受給している年金の0.8倍(年額、年金から源泉徴収されている所得税額に相当する額を除く)以内
  3. 1回あたりの返済額の15倍以内(融資金額の元金相当額をおおむね2年6カ月以内で返済することになります。)

 

借入額限度額については独立行政法人福祉医療機構のホームページなどに掲載されている「年金担保融資限度額・計算シミュレーション」を活用するようにしましょう。

 

独立行政法人福祉医療機構が借入利用者の年金を年金支給機関から直接受け取ることによって行われます。

 

年金支給機関から偶数月に支給される年金のうち、借入者が指定した額(定額返済額・1万円単位)を返済に充てることとなります。

 

定額返済額の上限は1回あたりの年金支給額の1/3以下とし、下限は1万円となります。

 

担保

年金を受ける権利(受給権)を担保とします。借入申込時に年金証書を取扱金融機関に預け、引換えに「年金証書預り証」が発行されます。

 

融資利率(平成29年9月1日時点)

 

  • 年金担保融資→年2.1%
  • 労災年金担保融資→年1.4%

 

連帯保証人

原則として連帯保証人を準備しなければいけず、審査基準を満たした連帯保証人が必要となります。

 

ただし「公益財団法人年金融資福祉サービス協会」が保証する信用保証制度を利用することもできます。
この場合、一定額の信用保証料を支払う必要があります。

 

資金使途

資金使途としては次のようなものがあります。

 

  • 保健・医療(入院費・診療費・手術費・検査費・薬剤費・通院費など)
  • 介護・福祉(介護施設の利用費用・介護福祉用具費など)
  • 住宅改修等(住宅改修工事・増改築費用・引越費用など)
  • 教育(入学金・授業料・受験費など)
  • 冠婚葬祭
  • 事業維持(事業のための運転資金・設備資金など)
  • 債務等の一括整理(既存借入からの借換・滞納費支払など)
  • 生活必需物品の購入(自動車・家電・家具購入費など)

 

なお生活資金や旅行代としての利用はできません。

 

申込の際には資金使途の確認資料として、見積書等が必要となります。

 

融資金の必要性等の確認のため、見積書、請求書等の資料を提示し、借入申込書に「資金使途」、資金使途ごとの「必要額」及びその「支払(予定)年月」を記入します。

 

また、「必要額の合計額」が「借入申込額」に満たない場合、融資金は「必要額の合計額」までの融資額となります。

 

生活費の目的での年金

年金担保貸付制度は、比較的簡単に利用することができます。適用金利も一般的なカードローンなどと比較してもはるかに低い金利です。

 

しかし年金はそもそも生活費に充当するために支給されるものです。金担保貸付を利用すると返済が終了るまでは、年金の一部を受け取ることができなくなります。

 

くれぐれも借入後の生活の負担にならないように、計画的な利用を心がけましょう。

 

年金を担保とする違法業者に注意!!

冒頭で述べた通り、年金を担保とした貸付が法律上認められているのは「独立行政法人福祉医療機構」「株式会社日本政策金融公庫」の2先しかありません。

 

これ以外の民間金融業者が年金を担保して貸付を行うのは禁止されています。

 

つまりこのような金融業者は違法業者であり、法外な利息や手数料を請求されることになりますので注意しましょう。また先に挙げた2つの機関の「代理店」などを装い、手数料や斡旋料を要求してくる悪徳業者も存在していますので、怪しい先とは決して関係を持たないことが肝心です。