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劣後融資とは?

金融用語集   69 Views

皆さんは「劣後融資(劣後ローン)」という言葉を聞いたことがありますか?

バブル経済崩壊以後、銀行などの金融機関への公的資金投入時に「劣後融資」が多く用いられたこともあり、聞き覚えのある方もおられるかもしれません。

劣後融資(劣後ローン)とは?

複数の金融機関から借りたお金を返済する際に、例えばA銀行の返済を優先させB銀行への返済を後回しにした場合、B銀行の借入を「劣後する」といいます。

通常は、融資を受ける際にはその種類に関わらず「劣後しない」ことが大前提です。貸した側(この場合はB銀行)にしてみれば「どうしてほかの債権者(この場合はA銀行)には返済しているのにこっちには返せないんだ」と不満に思うのは当然です。金融機関にしてみれば、返済能力について少しでも懸念を覚える場合、劣後しないことが融資を認める際の大前提です。

また、この劣後とは返済不能になった場合だけでなく、返済猶予(リスケジュール)を求める場合でも同様です。例えば資金繰りが厳しくなって期日どおりの返済が困難な場合、A銀行には期日どおりに返済したのにB銀行には返済猶予を申し出る」ということは認められません。借りている側としては金利が高いところや借りている金額が高いところから優先して返済したいところですが、そうした「不公平な」返済のやり方は通常では許されていないのです。返済の猶予を求める場合には必ずA銀行とB銀行両方に申し出て、受け入れられることが大前提となります。

一方、劣後融資(劣後ローン)とはこのような大前提を崩した形の融資方法です。B銀行が認めば場合、つまりB銀行から劣後融資を受けた場合、もし返済が厳しくなった際に、A銀行の返済を優先してかまわないという条件を設ける制度です。

万が一、融資先が倒産してしまう、まず従業員の給与や税金などの支払いが行われ、その残りを各債権者(銀行など)が回収します。劣後融資により融資を行った銀行(この場合はB銀行)は債権者の中でも順位が最後になるので、その時点で回収可能な資産がわずかしかない、あるいはほぼ残っていないという状況にもなりかねません。この点から金融機関からすれば負債というよりは株式に近いので、負債ではなく資本と見なされます。

日本においては、1990年頃から解禁され、銀行や保険会社、証券会社などでは、バブル崩壊後の金融危機や経営難の際には、自己資本規制比率上の自己資本の一部とみなされることから、多くの金融機関で劣後融資が制度化しました。

劣後融資のメリットとデメリット

〇メリット

利用者の側からすれば、返済を猶予できたり、後回しにして返済できるメリットがあります。特に多重債務の利用者は連日のように返済の期日が来て資金繰りに翻弄させられやすくなります。その点、劣後融資を利用していると優先順位を決めた上で返済計画を立てられますし、劣後融資はまとまったお金が入ったときにまとめて返済するという活用もできます。

×デメリット

劣後融資には金利が高くなるというデメリットがあります。金融機関側としては当然、支払いが滞るリスクを抱えるわけですので、見返りとして高い金利を設定する必要があります。それだけ利息返済負担も大きくなりますので、当座の資金難を乗り切るための資金確保としての利用が一般的と考えられています。

日本政策金融公庫の劣後融資

日本政策金融公庫には「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」という劣後融資の制度が準備されています。金融検査の際には自己資本とみなしてもらうことができ。万が一、法的倒産手続きが開始された場合は全ての債務が劣後になります。

国民生活事業の資本性ローン

融資限度額 4,000万円
返済期間 5年1ヵ月以上15年以内
金利 売上高減価償却前経常利益率によって決定されます
  • 5%超→貸付期間によって5.15%~6.05%
  • 0%以上5%以下→3.05%~3.50%
  • 0%未満→0.90%

中小企業事業の資本性ローン

融資限度額 1社あたり3億円
返済期間 最長15年、最短5年1ヵ月 期限一括償還
金利 貸付後1年ごとに、直近決算の業績によって決定され、利率は3つに区分されています。

これらの劣後融資では新規性や成長性が審査のポイントとなります。事業計画書の内容がかなり重要になってきますが、審査基準は厳しいものと予想されます。

まとめ

金融機関にとって劣後融資を組むことは、かなりのリスクを伴います。金利を高く設定できるとはいえ、万が一融資先が倒産などしてしまうと回収不能となる危険があります。

そのため通常は取り組み自体が敬遠される性質があります。審査基準もかなり厳しく、利用までの道のりは困難なものでしょう。

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